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今後のABF需要の伸びについて確認したい。配付資料のABF売上高推移のグラフを 見ると、2019年度と2020年度の伸び率が大きいように思えるが、その中で最も伸びる分野はどこなのか。5Gの基地局向けが大きいのか、それともデータセンターなどの回復がありそういう所の戻りが大きいのか、その点について教えていただきたい。
当社は販売したABFの最終的な用途について把握している訳ではないので、あくまで当社の顧客から収集した情報に基づく推定という前提でお答えさせていただく。おそらくサーバー用途と、我々がASIC(=Application Specific Integrated Circuit/特定用途向け集積回路)と総称している、いわゆる5Gを含むネットワーク用途は、等しく伸びていくと考えている。今後のパソコンや通信機器用途の伸びはそう期待できないと思うが、社会インフラ系の用途は等しく伸びていくだろう。
(用途が5G系だと基地局大手が貿易摩擦の影響で停滞するという懸念はないか。そういったことが顕在化してきた場合、多少販売に影響するリスクはあるのか、との問いに) 米中摩擦の懸念もあるので、日々のニュースを注視している。現況から考えると社会インフラ系の伸びは止まることがないと思う。かなり影響を受けるようなニュースが流れているが、当社は実際に基板メーカーに販売する際、顧客からの情報を元に見込みで生産しており、それらの情報からすると、一時的な落ち込みはあるかもしれないが、大幅に落ち込むような影響は少ないと考えている。
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当社は基板メーカーへABFを出荷しているが、日系基板メーカーと台湾基板メーカーが造る製品においてグレードや品質あるいは取り扱いやすさという点で違いがあるのか。
厳密に言うと、差はあるのかもしれない。しかし、最終的な半導体メーカーは非常に伸びているため、日系基板メーカー、台湾基板メーカー等に等しく発注しているように思える。その流れを見ていると、日本と台湾に大きな違いはないだろう。但し、非常にスペシフィックな用途において、まだ日本でしかやっていない、あるいは逆に台湾にのみ依頼していることはあるかもしれない。ABFの出荷状況を勘案すると、主要な用途においてはそれほど大きな差はないと思う。
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ABFの売上を日本とそれ以外とを国籍別に分けるとどのような比率になるのか。今後 大きく伸びていく予想を示しているが、どちらがどのように伸びると現時点で見ているのか。2点目の質問は、先ほど、サーバー、ネットワーク、社会インフラが伸びるという説明があったが、別の切り口で、例えばCPUが伸びるのか、GPUが伸びるのか、あるいはそれをコンバインしたものが伸びていくのか、そのあたりはどのように見ているか。3点目の質問は、設備投資と今後の生産能力の拡大について説明をお願いしたい。
まず3点目の質問の設備投資について、当社はABFがかなり伸びると予想しているが、その塗工工程については外注しており、当社自身に関わる設備投資はワニスの生産工程のみである。これについてはかなり効率的な生産を行うことで、今後ともアセットライトを目指していこうと考えている。あまり多額の投資をせずに需要増を賄っていけるようにしているし、これからも賄っていけると思っている。
次に1点目の質問については、当社の顧客であるメーカーの顧客情報に関わることであり、開示できない情報である。従って、大変申し訳ないが、国別の比率は非開示の情報とさせていただきたい。
2点目の質問について、もともとCPUはパソコン、サーバーの一部に使われている。先ほどロジックICという単語を使ったが、その中にCPU、GPU、ASIC、あるいはFPGAがある。今の流れを見ていると、今後はFPGAあるいはASIC、車載用途ではグラフィック系のGPUが伸びる。一言で言うと、CPUよりはGPU、ASIC、FPGA等が伸びていく。FPGAは、お客さまが自分の用途に合わせてモディファイできるものであるが、CPU以外のものが伸びていく傾向にあると感じている。
(それによりABFにはどのような変化が出てくるのか、との問いに) 番手という言い方をするが、ABFという製品名の中にさまざまな製品(=番手)を持っており、用途別や顧客の要望に基づく留型仕様品で構成されている。先ほど、さまざまな性能を実現すると言ったが、用途やニーズによって配合が変わってくる。この配合技術が当社のコアの技術であり重要なノウハウになっている。
(アセットライトで設備投資を抑えるということであるが、生産能力としてはどのぐらいを目安にしているか、との問いに) 今でも余剰生産能力はある。何が大変かというと、かなり複数の番手を造っているため、納品までのリードタイムが非常に重要となる。変化の激しい業界であるため、すぐに造って持ってきてくれということがある。従って生産能力に加え、リードタイムをいかに工夫するか、いかに早く短いリードタイムで生産計画を組み替えられるかということが重要であり、これさえできれば当面追加投資はせずとも、売上伸長は可能だと考えている。
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配付資料に示されているように、今後ASIC関連へのABFの販売比率がかなり伸びるという予測になっているが、その伸びる部分の面積や総数はどのような前提で入れているのか。また、統合型のものはどういうスペックを想定しているのか。
細かい数字についてはお答えすることが難しいが、顧客から提供いただくABFの使用見込数が予測の大前提である。それをベースにして、いろいろな仮説を置いてその用途を推定し、将来の用途別の需要を算出している。当社の製品をどのぐらい必要としているのかという顧客の見込情報を愚直に積み上げているというのが率直な答えである。
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足元、半導体メーカーは各サプライチェーンにかなり増産要請をしているが、サプライチェーン側も過去の過大投資で慎重になっており、どこまでやるかという議論になっている。その中で供給不足が起きている。半導体メーカーが意識的に在庫を増やしているのか、それとも実需に沿って発注をしているのか。またABFの需要予測については、顧客の能力増強に合わせたコミットなのか、またどのぐらい割り引いた数字なのか、その考え方を教えてほしい。
当社は全ての基板メーカーに製品を販売している。それぞれの基板メーカーからいただいた数字を合計すると多少上振れる傾向はある。例えば、基板メーカーが上振れのケースの数字を伝えてくることがあるため、やや割り引いて見ることもある。ただし、当社なりの試算根拠を持って計算している。昨今の状況では、2018年末頃から米中摩擦等が言われ始め、一時的に顧客からの発注が少し減ったと感じる時期があった。その時に多少、在庫調整がされた可能性はあると思うが、現在はほぼ実需に近い形で取引されているというのが、当社の実感である。
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台湾のサプライチェーンでは、値上げのような動きもみられる。足元の価格の状況はどのようになっていて、当社としてはどのような対応をしているのか。
足元の価格が特殊な状況とは全く思っていない。常にボリュームと価格が連動しており、ボリュームに見合った価格帯でやっている。ただ重要なのは、末端用途が世代交代を繰り返しており、例えばCPUも何世代と変わってきており、それに合わせて当社のABFも番手が変わってくるということ。当然、古い番手になれば価格は下がるし、新しい番手になればその反対という部分はある。末端のCPUの価格も違うだろう。つまり価格に関しては、製品サイクルで新陳代謝に合わせて改定されるということと、ボリュームによるところの2つが要素かと思う。
(足元でいうと新製品への置き換えがプラスに効いているが、従来の慣行に沿った価格帯であり、あまり特殊なことは起こっていないということか、との問いに)Yes。新製品の置き換えのサイクルも特別に起きているというわけではなく、歴史的にずっと起きていることであり、今後も変わらぬ状況だと捉えていただきたい。
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2019年度化成品事業の業績予想について、売上高は対前年12%伸長、事業利益は対前年5億円程度しか伸びない想定である。2019年度の売上高伸長率が一時的に鈍化する理由、或いは事業利益が伸びない理由を教えて欲しい。先ほど大きな投資は必要ないということだったが、固定費の増加等はあるか。
2017年度からかなり大きく伸びてきたので、2019年度の伸びは少し緩やかに見えるということだと思う。2019年度については、半導体の国際的な市場予測をする団体であるWSTSの情報などでも、一時的に成長が停滞するといわれている時期である。従って、当社は顧客の情報と客観的な情報を踏まえ、近年の伸長に対して少し慎重に予想を立てている。しかし流れとしては客観的な市場予測においても2020年度からまた伸びる絵になっており、当社の予想もほぼそれに沿っているとお考えいただきたい。
(2019年度の化成品事業の限界利益率が25%程度になると予測しているが、固定費が増加しない中で事業利益が5億円程度しか伸びない要因は何か、との問いに)当社は電子材料だけの情報は開示していない。化成品事業は電子材料以外の事業の状況もあるので、開示情報からだけでは難しい部分もある。
(電子材料では大きなコスト変化はないということか、との問いに)Yes。
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現在のABFの売上高を約300億円とした場合、出荷数量の伸び率並みに売上高も伸びるとすると、中期的には売上高が200億円ぐらい増えることになる。いま利益率が50%程度あると思っているが、出荷数量が1.7倍になった時に単価や利益率も変わっていくものなのか。
様々な環境の変化はあると思うが、今とほぼ同じぐらいの価格帯、同じような利益率を想定している。特別に固定費が増加することは想定していない。
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製品の品番は、プロセスのジオメトリーがシュリンクすることによって生まれるのか。或いはパッケージメーカーの設計に合わせてできるのか。
両方ある。用途が変わっていくところが大変重要で、末端メーカー、または場合により基板メーカーからの様々な要求が非常に増えてきている。その要求に対して、一つ一つにいかに対応するかが重要になってきている。
(過去はCPUが中心であり、プロセスは基本的に2年に1回程度の変更であったと思う。型番も、種類は複数あるとしても基本的には1つのシリーズでやっているため、比較的絞られた品番の生産をしていたのではないか。しかし、今後特にASICが伸びるとなると、ASICは完全にカスタムデザインでありパッケージが毎回変わるため、複数の品番をかなりの頻度で切り替えていかないといけなくなるという理解で好いか。それとも、説明にあったASICは従来のカスタム品ではなく、FPGAやTPUのようにある程度ボリュームが出る新しいタイプのチップのことを指しているのか、との問いに)まず、かなり品番が増えていく傾向にある。するとリードタイムが重要になってくる。つまりキャパシティはあるが、様々な品番を注文生産で造ることになるので、効率的に回すことが課題となってくる。当社としては量産品を受けていただきたいというところがあるので、この番手であれば受けてほしいというものはできるだけ積極的に訴えている。一方、ユーザー特性に応じたものもある。よって、比較的大きなボリュームの番手と、小さな需要量の番手との組み合わせで多数の番手が生じている状況である。
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単価の考え方について、粗度を低くしていくことがトレンドとしてあるのか。その場合、粗度が低いものは基本的には高い価格で売り、古くなってくると価格が下がってくるというのをサイクルで繰り返す中で、カスタムでボリュームが少ないものは高単価の販売になるというポートフォリオの組み方だと理解して好いか。
当社の番手のボリュームで価格が形成されている。使用量の少ないものは高く価格を設定することが出来る。一方で、多く買っていただくものについては比較的安くなる。
(台湾の方からは、製品が足りないため価格が上がっているという話をここ1年間ぐらいで頻繁に聞いた。しかし、本日の話からその様な状況では無いということは、カスタム品が増えてきていることや、使用量の少ないものが増えている為、製品ミックスとして、そちらに移っているということを基板メーカーが言っているのか、との問いに)少なくともABF事業において、特に台湾向けに価格が上がっているということはない。その番手のボリュームとの相関関係でできている。
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競合の状況について聞きたい。主に日本で同じように基板の樹脂を造っている会社が4~5社ある。当社の2017年度、2018年度の売上高伸長率を見ていると、同業他社の伸びよりも高く見えるが、その理解で正しいのか。また、何故そうなっているのか。他社との技術的な違いを含めて教えて欲しい。
ロジックICの中でもCPU或いはGPU、更にはASIC、FPGAも同様だが、パソコンやサーバー、ゲーム等の様々な用途を押し並べて、当社シェアはとても高い。一方でスマートフォンについては、当社シェアは高くない。その理由として、スマートフォン向けのロジックICは大きさが非常に重要だと認識している。スマートフォンの本体は小さいため、少し違うリクエスト要素になる。これはCPUとは呼ばず、アプリケーションプロセッサー(以下、AP)と呼んでいる。このAP用については、当社はあまり得意ではない。従って、競合メーカーはその領域を中心に売っているかもしれない。これを前提とした場合、社会インフラ系のものは流れが変わらず伸びているが、スマートフォンは景気に大きく左右される。当社はその影響を受け難い。競合メーカーよりも伸長率が高いように見えるとすれば、こういった要因があるのではないか。
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当社はスマートフォン以外で、パーソナルコンピューター(以下、PC)、サーバー、特に最近はサーバー用途が強く、他社はスマートフォンで強いという棲み分けの元になっている、物性の違いについて教えて欲しい。
CPUを造る半導体メーカーとAPを造るメーカーは異なる。それが決定的な違い。当社はCPUやASICを造る半導体メーカーとの歴史的な関係が強く、APを造るメーカーとの関係は、まだあまり強くない。
(2008年から2012年はPC市場の停滞により当社は踊り場期だった。一方でスマートフォンは全盛期であったことから危機感があったのではないか。その当時、APメーカーへはどの様なアプローチをしたのか。また、踊り場期を過ぎても尚インフラ系に強いのは何故か、との問いに)APに強いメーカーとは未だにうまく取り組めていない。CPUに強い半導体メーカーが伸長しているおかげで当社も伸びている。CPUに強い半導体メーカーと組んだことで、結果的に社会インフラ系のものが伸びていった。
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車載用途やドローンの最終ユーザーはCPUに強い半導体メーカーとは異なるのではないか。新しい用途での顧客との関係構築は進んでいるか。
CPUだけでなく、GPUに強いメーカーとも非常に良い関係である。従って、APは弱いが、その他は全て良い関係を構築している。その原動力は、2015年にシリコンバレーに拠点を作ったことが非常に大きい。シリコンバレーには多数の顧客が集まっている。よって、1日に何件も商談が出来るため、様々なお客さまと素晴らしい関係が築けている。
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当社の事業利益率の推移と今後の見通しについて伺いたい。電子材料事業を含む化成品の事業利益率は、2016年度は20%台半ばであったのが、2018年度は35%台と大きく上昇している。これはPC用途以外の隣地拡大による高付加価値製品が出てきたからか。
毎年維持投資はあるが大きな投資は行っていない。日本からの輸出による為替影響もあるかもしれないが、ABFが伸長していることが事業利益率を高めることに繋がっていると考えてもらって好い。
(2020年度以降、顧客の投資が拡大すると予想されているため、事業利益率は更に上がる可能性があると捉えて好いか、との問いに)為替レートに大幅な変動がなければ、徐々に事業利益率も上がっていく環境にあるだろう。但し、新番手の投入率は単価の形成に大きく影響する。新番手が進む年と進まない年があり、それによって事業利益率に多少影響が出るだろう。
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化成品事業は単独で非常に上手くいっていると考えてよいか。当社の経営に何か申すべきところはあるか。
当社の化成品事業には、ライフサポートに属している電子材料と、ヘルスケアのその他に属している香粧品素材がある。電子材料だけでなく、香粧品素材も同様に非常に伸びており、アセットライト事業となっている。全社の経営で目指すところは同じ。アセットライトの状態で、スペシャリティを追求し、ROA、事業利益率、キャッシュコンバージョンサイクルを高めるということ。どの事業においても、その考え方や基盤は共通である。
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配布資料の13ページ、2019年度の予想用途別数量比率において、ASICの割合がかなり高いように思う。ASICの中にはGPUやFPGAなどが入っていると思うが、それ以外に何かあるか。というのも、ディスクリートGPUの半分以上は、ゲーム用途に分類されていると思う。またFPGAも通信機器だとコスト的には少ないはずであるので、ASICがこれだけの割合を占めるということは、サーバー数以上にレイヤーがあり、さらにサイズも大きいという理解で好いか。
顧客の用途を把握するというのは非常に難しい。当社は同じ番手で納品していても、顧客は違う用途に使っているケースが結構ある。データを作成しておきながら言い訳のようになってしまい恐縮であるが、ASICとサーバー、或いはゲームの分類には曖昧なところがある。顧客はサーバー用途で使っているかもしれないが、当社の番手属性により自動的にASICへ分類しようと決めたものもある。PCとサーバーの間でも同じことがある。電子機器が複雑になっていくと、一つのマザーボードの上に複数のロジックICを乗せていくため、当社側ではなかなか正確な用途が分からないという実情がある。
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今後のABF需要が1.7倍になるという予測があったが、その際に用途別構成比はどのように変化するかイメージを教えて欲しい。用途推測は難しいという話だったが、どの用途がどれだけ牽引すると感じているか。
可能な限りお答えしたいと思う。とにかくPCの割合が減少していくということだけは間違いない。繰り返しになるが、末端の情報は日々のコミュニケーションの中で半導体メーカーから収集しているが、実際に発注するのは基板メーカーである。そのときは番手で発注が来るので、想像するしかない部分がある。番手の傾向を見ている限りでは、サーバーと5G系に使用されるものが伸びていくだろう。ゲームはそろそろ伸び悩んでいるような感じを受ける。
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需要が増加する背景を理解するために視点を変えて聞きたい。パッケージの変化の方向性としてダイパーティショニングやスプリットという方向、またヘテロジニアス、メモリの変化という大きなところがあると思うが、どのようなパッケージの変化がABFに影響を与えてきていると考えるか。あるいは、チップにおける高集積化がそもそも効いているということなのか。
一例として、配線がどんどん微細化していっているということが挙げられる。現在7ナノメーターまで来ているが、配線が微細化すればするほど加工が難しくなる。ABFは銅線を貼りやすいという特性も含め、非常に加工しやすい。今までABFを使っていなかった用途でも、微細化が進めば進むほどABFを使うようになるということが考えられる。当社が苦手なスマートフォンでも、バッテリーがどんどん大きくなってきているので、他の部分を小さくしなければならない。そうするといずれチャンスがあるかもしれない。他にもいくつかの技術要件があるが、例えばこのような流れが当社にプラスになってくると考えている。
あとは省エネ化である。詳細はお伝えできないが、省エネ対応に耐えられる技術要請に応え得る、新しいフォーミュレーションの開発ということにも取り組んでいる。
また配布資料の13ページに低誘電正接という言葉があるが、これも一つの技術要請である。電気は回路の中を通るが、あまり通信量が大きいと負荷がかかる。電気負荷がかかり過ぎると回路が早く傷んでしまったり、省エネでなくなったりするということがある。この負荷をできるだけ少なくする為に、低誘電正接材料が求められている。このような、低誘電正接という技術要請に対応できるようなフォーミュレーションの開発なども行っている。
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APについては、もともと当社はそれほど強くないという説明があった。しかし今後微細化が進み、7から5、あるいは3ナノメーターまでのロードマップを出している企業もある中で、そのようになれば採用の可能性があるということだろう。逆に言うと現時点であまり当社が強くないということは、大手メーカー側からすると、ABFを使用した製品を造るに至る知見がまだ溜まっていないという理解でよいか。
APを手掛けている企業はABFのことをよくご存じだと思う。ただしスマートフォンは価格競争が激しいということもあり、どうしてもコスト重視になっているところもあるのではないかと想像する。
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番手が変わることによって、当社の売上高と事業利益に対する影響が大きいという説明があった。2019年度は番手が更新される年という印象を持っているがその様な理解で好いか。
2018年度にかなり新しい番手を投入しており、2019年度はそれが伸びる年ではないかと思う。2019年度、特別に大きな新しい番手が出るということはあまり考えていない。
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配布資料の1ページで電子材料以外の事業を紹介している。様々なものが小さくなっていく流れの中で、電子機器に使われるであろう接着剤、また難燃材などの需要も増えてきているのではないかと思う。ABFほどの大型製品は難しいだろうが、次に成長が期待できるような製品があれば教えていただきたい。
機能材料は非常に幅広いため色々なものに使える可能性がある。その意味では、ここから次のスターが生まれることも期待できる。電子機器に使用されるという面では、例えばスマートフォンなども様々な細かいパーツを組み合わせて造っており、需要や売上高の大きな製品に接着剤が採用されればかなり出荷は進むだろう。また分散剤も様々なものに使用されているという傾向があるので、接着剤や分散剤等が今後伸びていくのではないだろうか。エポキシ樹脂硬化剤や難燃材はかなり古くからあるので、大きく伸びることはないのではないかと見ている。