※赤字:11月6日の回答より訂正
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構造改革の「アセットライト」について。20-25中期計画の中で非重点事業と位置付けた事業を3つ挙げていたと思う。動物栄養のコモディティ、MSGの一部、冷凍食品の一部である。今回、欧州の動物栄養や冷凍食品について進捗の報告があった。そのうち、欧州の動物栄養について、今回、考えていた通りの取組みがかなり進んでいると考えていいのか。冷凍食品の一部についても北米の取組みについての説明で、実行しようとしていたことの大半が進んだと考えてよいのか。MSGの一部については、今後どのような時期にどのようなことを進めようと考えているのか。中計で示していた重点事業へのポートフォリオ集中という観点のところを、少しフォローアップいただきたい。それに絡んで、アセットライト化の今年度計画を今回は555億円(対期首予想+205億円)としたが、3年間で1,000億円規模を計画していた部分の半分強が今年度に実行されるということになる。併せて、今回の構造改革費用として230億円を予定しているが、アセットライト化の残り500億円弱によるP&Lへの影響もそれなりに同じような規模でヒットするようなものが出てくると考えておけば良いか。
まず、アセットライト化の3点(動物栄養(コモディティ)、MSGの一部、冷凍食品の一部)については計画どおりに進めている。動物栄養(コモディティ)部分について、売却・提携に向けた交渉を再開した。
北米の冷凍食品については既に取組みを進めており、第4四半期までに投資を実行するので計画線である。動物栄養(コモディティ)の交渉については一時停滞していたが、交渉を再開しできるだけ早いタイミングで実現をしていく段階に入っている。
MSGの一部に関しても、交渉を再開したという段階である。2022年度までの中計フェーズ1(構造改革)のステージでは実現をしていこうと考えている。残り500億円程度のアセットライト化が発生する中で、どのくらいの費用が発生するかであるが、われわれもまだ具体的に見ていないが、今年発生している費用程度は必要になるだろうと考えている。精査をして、改めてご案内をしたい。
(動物栄養(コモディティ)は、今回はインラインで欧州交渉再開ということであるが、中計でやろうとしていた改革は、欧州でも大半はめどが付くという理解で良いか。また、他のエリアでも生産拠点の減損は既に実施していると思うが、全体計画の中で、欧州でのアセットライト化が進展すると、動物栄養(コモディティ)のアセットライト化としてどの程度が進展すると見れば良いか、との問いに)
北米は2021年度に向け、具体的に事業構造をどのように変えていくかを今は精査し詰めているところである。これについては構造改革費用が発生すると見ている。従って、欧州と北米の構造改革費用について、今回は一定量を織り込んだと思っていただきたい。
(タイとブラジルの動物栄養(コモディティ)旧拠点自体も、今後もまだ改革の余地があると考えておけば良いか、との問いに)
タイとブラジルについては、既に構造改革を実施済である。
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チャネル戦略について伺いたい。チャネル対応が課題だということであった。一方で社内全体でDXを推進して、パーソナル栄養等、フードテックの領域でイノベーションを進めているという印象を受けた。トップラインを伸ばしていくためには、やはりチャネル戦略は非常に重要だという仮説を持っている。当社は、ECを含めた直販モデルのような販路をスクラッチで作ろうとしているのか。それとも、M&Aやアライアンスを考えているのか。チャネル戦略についてのお考えをお聞かせいただきたい。
今のところ、大きなM&Aで販路を手に入れることは考えていない。一方、D to Cのチャネルや既存のチャネルの中にも、ダイレクトに生活者に届けることを得意とするベンチャー企業が出てきている。費用対効果の面でも、機会と脅威を透明度高く分析できるベンチャー企業も存在する。このような企業としっかり組むことを考えている。チャネルシフトが起きる中でトップラインに対する影響という面では、全体をカバーできるところまで行くかどうかは、「手探り」の範疇を出ていない。手を組む企業を増やして、需要を取り込もうと考えている。成長力が非常に大きい企業もあり、将来そのような企業と資本的なアライアンスを組むことを否定するものではない。
(新しい高付加価値製品の販売やサービスの提供においてはベンチャーと組んでいくことも検討し、汎用性の高い製品についてはDX等を介してオペレーションの効率化を進めると理解してよいか、との問いに)
そのようなことも、もちろん含まれている。家庭内調理が増えていく、あるいは家庭内で中食の利用が増えていく中で、生活者もストレスが溜まっている。今まで手作りされてきた方々は、自分たちの手持ちのメニューでは満足できなくなっている。また、新たに調理を始めた方々の中には、どのようなメニューを揃えて良いか分からないという方もいる。われわれが力を入れてきた「メニュー」の情報が、今非常に価値を持ってきているのではないか。メニューには、食卓の楽しさを演出する、エンターテインメント性を持たせることもできる。さらには、栄養価値を高めていくことも、付加することができる。
マーケティングにおいては、メニュー情報にユーザーエクスペリエンスを付加していく。このために必要なDXを進めて、スタートアップ企業、ベンチャー企業とも連携していきたい。その情報の中に私たちの既存の商品を組み合わせていくことで、既存事業のチャネル拡大や、使用機会の創出につなげていきたい。
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東南アジアの調味料・加工食品事業について伺いたい。上期において、家庭内需要の高まりという市場環境の変化を除いて、当社独自の取り組みで西井社長が評価しているものがあれば教えて欲しい。また、2020年度下期に戦略費用を投下されるということだが、2021年度以降に向け収益力を高めていくためには、特に下期何に取り組みたいと思っているのか、東南アジアの調味料・加工食品事業にフォーカスして教えて欲しい。
コロナ禍で外食チャネルが非常に厳しい状態になった反面、家庭内需要をしっかり捉え、「味の素Ⓡ」や風味調味料の小容量品種と、メニュー用調味料をしっかり成長させることができた。家庭用で全体をけん引するマーケティング戦略が、東南アジアの直販営業体制をベースに、非常に力を発揮したと評価している。 -
2020年度下期の販管費の増加計画について、国内ではシェアダウンに対する投資をするという説明だったが、投資の具体的な内容を教えていただきたい。また、新商品が下期に集中するため広告投資を積むという説明もあったが、金額規模が大きいと感じる。2020年度これだけの費用を使うことにより、2021年度に向けてどのような点が強化されるのかお伺いしたい。
まず、国内のシェアダウンをどのようにリカバリーしていくかについてお答えする。シェアを失った原因は、上期に生じた家庭用商品に対する特需に対し、安定供給を優先するために広告等を控えたことである。また、スーパーマーケット等の特売で極端な価格競争を伴うような施策にもあえて加わらなかった。その結果、残念ながらシェアを失ったということである。これに対して必要なことは、改めて当社製品の品質、使い勝手、家庭内での楽しみ方について再度お伝えすることと、店頭での施策等も合わせた基本的な活動である。活動を下支えするために販売促進費等が必要であると考えている。
次に、広告投資についてお答えする。既存製品のブランドの維持向上のために、上期に打てなかった広告投資は打っていく必要があると考えている。さらに大切なことは、2021年度以降に向けて、当社のビジョンに表している「食と健康の課題解決」に向けた取り組みを行うことであり、ビジョンを実現するための新製品群を用意している。新製品導入に際しては、製品の内容やお客さまへ価値をきちんと伝える必要があり、ここにも必要な広告投資を行っていく。
(第1四半期は欠品を避けるために特売を行わず、定番品に注力した結果としてシェアを落としたが、それを挽回するために第2四半期では販売促進費等は積み増していくということであった。結果的に第2四半期にはそこまで販売促進費が使われなかったとの認識であるが、シェアはどの程度回復できたのか。また、特売の回数を元に戻すことでさらなるシェアアップにつながると理解してよいか、との問いに)
第2四半期については、シェアは戻りつつあるものの、競合の価格戦略の影響もあり、十分に回復できていない認識である。下期については、製品名は同じもので秋冬向けの製品も投入する。特売回数を特別に増やすということではないが、ある程度のプレゼンスを示すような施策を打っていかなければ、市場に取り残されると捉えている。
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節約志向が生じる一方で、中高所得層では「ちょっと贅沢」な食品への支出が増加していくということについて、これらを総合すると当社にとってはプラスとなるのか、ニュートラルなのか、あるいはネガティブに影響するのか。また、中高所得層の「ちょっと贅沢」消費の継続性をどのように見ているのかお伺いしたい。
節約志向については表れ始めてきており、「ちょっと贅沢」消費は、はっきりと見えている状況である。スライドには「中高所得層のちょっと贅沢」と記載したが、様々な所得層の方々がどのくらい節約をされていて、どこまで贅沢なものにアクセスをされているか、定量的には把握していない。ただ、間違いなく傾向として見えているのは、例えば調味料などにおいて、メニューの拡大に対して非常に貪欲な方々が増えてきている。これまでは、どちらかというと年齢の高い方々が消費の中心であったが、若い方々が手作り志向にシフトしてきている。当社の特徴は、基礎調味料から風味調味料、「ちょっと贅沢」に当たるメニュー用調味料という、幅広い製品ラインを持っていることである。基礎調味料や風味調味料を使うメニューの広がりにより、安い献立もちょっと贅沢な献立も、両方を演出できるところが当社のマーケティングの特徴だと考えていただきたい。
最終的に、2021年以降も中高所得層の「ちょっと贅沢」消費が食品に影響するかについては、これからの経済的なダウントレンドが、所得あるいは可処分所得にどの程度影響するかに尽きると考える。本件については楽観視をしていないが、状況を適時把握しながらチャンスを拾っていきたいということが今の当社の考え方である。
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食と健康、栄養、そして減塩の戦略については、非常によく腹落ちし素晴らしい戦略だと思う。ただ、特に海外において、当社だけで減塩のストラテジーを普及させるには、かなり時間を要するのではと思っている。政府との連携なども含めて、もっと遠大なプランを持っているのかどうか教えていただきたい。
プレゼンテーションの中で、マレーシアとベトナムの事例をご紹介した。その中には、いわゆる地域行政や保健省、また現地の栄養をリードしている大学、NGO、メディア等との連携によるエコシステムが含まれている。これは日本で進めてきた健康、栄養の取り組みと同じスキームである。おっしゃるとおり当社だけでインパクトを出すことは難しいので、このようなエコシステムをしっかりと作っていくことが非常に重要であり、着実に進めているとご理解いただきたい。
また広報活動の面では、国連のフォーラムや日本の栄養サミットなどで発信をしていくが、ここはまさに政府やNGO、実行部隊の方々との出会いの場になっている。従って、当社がそのような場でイニシアティブを取ることにより、エコシステムを作りやすくするということが背景にある。
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ROICを各事業に導入することは非常に難しいと思う。従業員は3万人強いると思うが、隅々までROICを浸透させることができるのか、懐疑的。これについてはどのように進めていく方針なのか。また、KPIとしている2022年度のROIC8%に対するビジビリティを教えていただきたい。
全社のROIC向上に向け、各部門がそれぞれどのような貢献ができるかということを、直近半年ほどかけて「ROICツリー」という形でタスクフォースが作成をしている。これを第2四半期までに、味の素㈱単体に加え、J-SOXの15社をあわせた合計16社のメンバーと共有し浸透を図ってきた。
2020年度下期には、味の素冷凍食品㈱で検証を進めていく。全ての連結法人を対象にすることは難しいが、2021年度からは上記の16社、売上高でいえば構成比85%程度の法人については同時に運用開始ができるだろうと思っている。
ROIC8%については、スライド27ページで示したようなアセットライト化の戦略含め、中計の基本的な戦略を実行することにより実現できるだろうと考えている。一番の課題は、やはりトップラインの成長率。足元COVID-19により懸念が生じており、第2四半期のところでもまだ少し足りていない。ただしある程度ベースラインを戻すことが出来ていると考えたため、今回の修正予想で8%という目標は変えていない。
(2020年度上期が終わった段階で、8%はある程度見えてきているという理解でよいのか、との問いに)
8%の目標を下げるには至らないという状態である。
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2020年度上期の海外コンシューマーの単価成長率は約3%とのことだが、背景を教えてほしい。メニュー用調味料の成長、値上げ、新しい取り組みなど良い話が詰まっているのではと思うが、どうか。
海外調味料については、家庭用を中心とした小中容量、つまりユニットプライスが高い製品が大きく成長したということと、メニュー用調味料が高い成長率となったことが要素としてある。この中には、為替の影響から値上げを実施した法人も含まれている。
北米の冷凍食品については、構造改革に取り組む中で、アジアン製品や、メキシカンの中でもユニットプライスの高い製品に意図的に戦略をシフトしている。以上の要素を総合して、海外コンシューマーの単価成長率が約3%という結果になっている。
(2022年度の目標成長率は2.5%、それ以降も3%程度の目標だが、今の状況は持続性があると見てよいのか、との問いに)
内食需要中心の生活が浸透していく中で、当社の調味料を通じたメニュー提案、また即食性のある冷凍食品が、一定の評価を受けている状態である。では今が最大かというと、まだメニューを増やしたいと思っている生活者がおり、反対に調理負担が大きいと思っている生活者もいる。この部分に対して、まだわれわれの成長余地があると思っている。ここをしっかり捕えることで、ベースラインとユニットプライスの向上を続けていきたい。
(メニュー用調味料のパイプラインというのは、どれくらいあるものなのか。今後は生活者のニーズに合ったメニュー開発などがドライバーになると思うが、パイプラインはかなり充足されているというイメージでよいか、との問いに)
たくさんあると捉えていただきたい。例えば日本の「Cook Do®」(和洋中)は、全部で37SKUある。一般的によく購入いただいているのは10SKU程度だと思うが、ロングテール型で展開しており、チャネルやエリア特性による使い分けをしている。開発拠点は川崎に持っているが、海外の製品開発と連携している。ただし海外の場合は、チャネル形態が日本とかなり違っており、トラデショナルトレードでは単にメニュー数を増やせばよいということではない。コントロールをしていかないと効率も悪化するので、バランスを見ながら製品を発売していると捉えていただきたい。
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COVID-19が発生した当初は、単価成長やオーガニック成長率を20-25中計で掲げた数字を達成できるか分からかったが、COVID-19という新常態が見えてくることにより、トップライン成長への自信が非常に深まっているのか。このトップラインの成長率の考え方について伺いたい。
食品を含む重点事業のオーガニック成長は改善しているが、2020年度予想においてネガティブに効いている要素は、加工用うま味事業の影響がある。全体で大きくトップラインに影響するのは、業務用のリカバリーがまだ完全に出口が見えていないことである。これをどのくらいまで圧縮できて、それを家庭用も含めた新しいチャネル、あるいは食事機会で拾っていけるかだと思う。
従って、業務用の失われたチャネル、機会回復を取り戻すというよりも新しいチャネルを見つけていく。これを集中的にやった上で、家庭用のチャンスを逃さない、あるいは増やしていく。この2つやらなければいけないため、非常に緊張感はあるが、これをやれれば十分にトップラインの回復は可能だろう。
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動物栄養の構造改革について。欧州の生産拠点は売却や提携を進め、一方で米国は、事業再編をしながら改革していくということであるが、米国と欧州で取り組みの違いについて教えてほしい。結果的には米国もリジンやスレオニン、トリプトファン等のコモディティ化したボラティリティの部分は完全に無くすという理解で良いか。
欧州の場合は、動物栄養事業専用のオペレーションになっている。米国の場合は、複数のアミノ酸に関わるオペレーションがこのエリアに存在すること。もう一つは、生産品目を転換しても幅広く顧客ニーズを取り込めると考えている。このエリアで動物栄養のコモディティを縮小して、他のアミノ酸、付加価値のあるものに転換していくことはマーケットの受容性があるため戦略を大きく分けている。
また、リジン等、コモディティ化した飼料用アミノ酸が無くなるか、という点については、相当量小さくなる。例えば、「AjiPro®-L」のような新しい技術を持ったアミノ酸については、味の素ヘルスアンドニュートリションノースアメリカ(加工食品向けのユーザーに食品用のアミノ酸製剤を提供や外食向けの調味料を展開)の一つのパートとして、スペシャリティの飼料用アミノ酸として残ると思っていただきたい。バルクで販売するものは整理していきたいと思っている。
(米国では、「AjiPro®-L」のようなスペシャリティに紐付くバルク製品の上流工程などは一部残るが、バルク製品の数万トン規模の能力はほぼ無くなると理解して良いか、との問いに)
そのようなご理解で結構かと思う。
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プレゼンテーション資料の17ページ目について、主要な国別にもう少し具体的に、教えてほしい。海外食品では、業務用が回復しても家庭用がさらに加速している状況になっている。これは節約志向が背景にあるのか、それともシェアが上がっているのか、新商品があるのか。強い伸長率の背景に持続性があるのかを確認したい。
2020年度上期をベースにした2020年度下期予想は、現地通貨ベースでインドネシアは対前年で110%から112~113%伸長、ベトナムは105%から110%伸長、フィリピンも同様の数字、ブラジルは2桁伸長を想定している。円貨ベースでは、為替の影響があるが、これらほとんどは家庭用の製品の下支えにより達成される想定。家庭用製品のベースラインを維持する可能性は高いと見ている。新製品投入、積極的なコミュニケーション活動で、さらに伸ばしていきたいと考えている。
(下期は、上期よりはスローダウンするが、かなり力強い状況が続くということは、家庭用だけではなく国全体の前提だということで良いか、との問いに)
Yes。
(その背景について、もう少しお伺いしたい、との問いに)
申し上げた国は、全体的に外食を控えるというムードがある。もともと内食比率の高いインドネシアのような国もあるが、さらに外食を控えるということがあるので、そこが一番大きいところだと思う。
(家庭用の比率が高いため、当社にとってポジティブということか、との問いに)
そのように取っていただければと思う。一方、タイのように外食比率が高かったところは、残念ながら前年割れになっている。そのような数字を見ていただければ、家庭用のところが底堅いのはご理解いただけるかと思う。
(家庭用が伸びるとマージンにはプラスという状況が今年は発生している。来年に外食が戻ったときに、マージンは下がると考えたほうが良いか、との問いに)
外食が上がって内食が下がれば、そのようなことになるとは思う。新しい付加価値型製品の投入により、極端に数字で表れないようにしていきたいと考えている。
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構造改革の効果やアクセンチュア社と取り組まれている全社共通費について、2021年度、2022年度にどのように業績に反映されるのか。全社共通費は、今回の業績予想であまり上方修正されていないが、効果がどこで出てくるのか、定量的に教えてほしい。
プレゼンテーション資料13ページの全社共通費は、2020年度の見込みが367億円で、2019年度実績とほぼ同じだということを指していると思うが、確かにそのとおりである。DX等の成長投資が37億円あると示しており、それ以外の既存費用については、37億円の削減を目指して、2020年度の見込みとしている。このうちの一つのドライバーとして、アクセンチュア社とのジョイントベンチャーが2020年4月から始まったが、コーポレートサービス部門を外部化し、シェアードサービス(以下、SSC)化することで業務の高度化と効率化を図っていることも含まれている。37億円の削減は、既存の自助努力とSSC化の部分に分けられる。今後、SSC化の効率化は少し加速されていくことを目指している。 DX等のタスクフォース向けの投資は、この3カ年で100億円を掲げており、そのうち、一部全社共通費として現れる。最終的に、その要素を除き2022年度に目標としている売上高比率2.5%に届くというような計画である。
(全社共通費は、トータル367億円であり、2019年度とあまり変わらない、と理解して良いか。また、2022年度の売上高比率2.5%は、既存費用のものだけを示されているのか、との問いに)
2020年度の見込みは、DX等の投資を含めた上で達成しようとしている数字である。 2022年度は、DX等の投資を除いてこの2.5%の幅に収めようという計画である。
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2021年度は、今回の2020年度業績予想である事業利益1,000億円をベースにここから積み上げるという理解で良いか。それとも、2021年度上期を中心に事業利益の増減があり、いろいろ考えなければいけないことがあるのか。事業利益の水準について教えてほしい。
2020年度は、COVID-19を想定していなかった中期経営計画のベースラインの事業利益の額に、今回の業績予想の修正で近づいたと思っているが、まだ数十億円はビハインドしているのが現実的なところである。利益を稼ぐベースとなる調味料・加工食品や冷凍食品のアジアン製品、それからヘルスケアの主力事業の販売トレンドが非常に強いため、このトレンドで積み上げていきたいと考えている。
課題は、これから出てくる要素が不透明であること。2021年度については詳細に触れることができないが、今後の経済的なインパクト、特に所得に関わる部分、失業率、各国の社会的な不安に伴う暴動等の事態、このようなことがまだ不透明である。この辺りも含めて四半期毎に対話の機会を増やしてきたが、第3四半期も継続して行っていきたい。その中で今後の対応を共有できるようにしていきたい。