当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下(PDFファイルご参照)のようなも のがありますが、中でも新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)については、現在進行形で極めて重要な経営リスクの1つであると認識しています。 以下はすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っております。

なお、文中の将来に関する事項は、2019年度末現在において当社グループが判断したものであり、新型コロナウイルス感染症による当社グループへの影響、及び同感染症に対する当社グループの対応策等に関しては、ページ下部の「新型コロナウイルス感染症に関するリスクの認識」をご参照ください。

新型コロナウイルス感染症に関するリスクの認識

新型コロナウイルスの影響は、各国の緊急事態宣言などによる消費活動の制限、また今後の経済の落ち込みに より当社の事業にも大きな影響が予想されます。

現在の世界的な感染拡大期、その後ウイルスとの共存期を経て、ワクチン等の確立による回復期までには1年以上かかり、一部の国においては第二波、第三波と流行が繰り返されると予想しています。また、生活者の消費活動も大きく変化していくと考えております。一日も早い収束を願うとともに当社グルー プとしては「2020-2025中期経営計画」における味の素グループビジョンである「アミノ酸のはたらきで食習慣 や高齢化に伴う食と健康の課題を解決し、人々のウェルネスを協創します」を実現していくために一丸となって 努力していきます。当社グループでは、中国での感染拡大期より対応・対策を進め、世界での拡大初期においてはグループの従業 員およびその家族の安全確保を第一として、事業活動を継続してまいりました。具体的には、次のような点を感染拡大初期に実施済です。

・日本地域対策本部の設置、各地域本部危機管理担当者との連携

・対応方針を「新型コロナウイルスの感染予防に関して」として更新

・継続し従業員に周知 ・罹患者発生時の対応指針をグループに適用

・事業状況(販売、生産、物流、開発)の一元把握  

 

その上で味の素グループとして、「新型コロナウイルス 企業継続計画 基本方針」を定め、活動の優先順位を 1) 従業員およびその家族の安全確保、2) 地域・社会への貢献、3) 事業活動の継続(お客様へ商品・サービス を届ける)とし、対応計画を以下のように策定して実施しております。

 

① 従業員と家族の安全確保に向けた取り組み ・国内グループ主要会社において本社・営業・研究部門では約9割の従業員が在宅でのリモート勤務 ・全世界のグループ会社における罹患等情報をリアルタイムで把握 ・人事部が行うグローバル研修を100%オンライン化 ・全世界の生産現場で事業継続のために必要なマスク・消毒剤の手配 ・生産現場でのソーシャルディスタンス確保と公共交通機関の使用低減

 

② 地域・社会に向けた取り組み

・レシピ紹介のためのインターネットコンテンツ「味の素パーク」などを通じて生活者をサポートする情報を提供

・「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」に発起人として参画。新型コロナウイルス感染 症まん延の終結を目的とした診断・検査・治療・衛生管理等に関連した行為に対し、保有している知的財産権 を一定期間開放する活動を開始。

・医療従事者に、抵抗活力をサポートするアミノ酸健康栄養食品、「抵抗活力」(シスチン/テアニン)、「具 たっぷりみそ汁」、スープなど当社商品の提供。

・アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁と契約締結。COVID-19の検体を入れるバイアルを250万本提供。

 

③ 事業活動の継続に向けた取り組み

(a) 共存期、回復期に向けた事業戦略

・各国における事業影響把握のための情報収集の強化。

・経営会議メンバー、事業本部長、地域本部長を主要メンバーとするCOVID-19シナリオプランニングミー ティングを継続実施し、ニューノーマルでの事業戦略を策定、実行。

(b) サプライチェーンの維持に向けた取り組み

・安全を確保した生産体制の継続とお客様の需要に対応するため主要製品の生産に集中化。

・サステナブルな調達の維持に向けたサプライヤーとの関係強化、支援。

(c) 資金面での取り組み

・十分な手元流動性比率の維持と既に設定している主要取引銀行との間のコミットメントラインにより資金 の安全性を確保。

・加えて、資金流動性リスク等が発生する可能性のある海外連結子会社に対して、当社が緊急貸付枠を設定し、一時的な資金繰りの支援体制を整備。