味の素グループは1909年に「おいしく食べて健康づくり」という志をもって創業し、以来100年以上にわたり、独自の「アミノサイエンス®」をベースとして多様な事業を展開してきました。創業時の志は、事業を通じて社会課題を解決しながら社会価値と経済価値を共創する取り組みであるASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)として受け継がれています。

 

現在、味の素グループを取り巻く外部環境は目まぐるしく変化しています。このような環境下でも持続的成長を実現していくためには、スピードと実行力が重要です。私たちは健全な危機感を持って、お客様のニーズを先読みし、複数のソリューションを迅速に開発し、フィードバックに基づき継続的に改善する「高速開発システム」を型化・展開していきます。この高速開発システムを通じて技術、品質、生産性を強化するとともにお客様との強固な信頼関係を構築し、成長4領域とする「ヘルスケア」「フード&ウェルネス」「ICT」「グリーン」を中心に飛躍的成長を目指します。

 

またこうした事業成長、企業価値向上のためには、従業員が本来持つ能力を十分に発揮し、主体的に挑戦・成長できる文化が必要不可欠です。失敗を恐れず挑戦できるよう促し、その挑戦の質を高めていくことで、イノベーションが生み出される企業文化の醸成に注力します。当社の強みである人財・技術・顧客・組織等の無形資産もさらに強化して新たな顧客価値や事業モデルの創造を図り、2030年ロードマップ実現に向けた取組みを加速してまいります。

 

世界には解決しなければならない社会課題が多くあります。私たちはアミノサイエンス®をベースとして、人・社会・地球のWell-beingのために尽力し続けていきます。そして、それらの取組みから生み出した経済価値を、より多くの、より大きな社会課題の解決に役立てていきたいと考えています。そのためにも、ありたい姿の実現を目指して、味の素グループがワンチームでスピードアップ×スケールアップし企業価値を向上していけるよう、自ら先頭に立ってたゆまぬ努力をしていく所存です。

 

私が掲げる経営スローガンは「ちゃんと考えて、ちゃんと実行する!」です。「ちゃんと」に込めた思いは、本質的に考え、誠実な目的を持って事業を行い、正しく稼ぎ、正しく成長したい、ということです。株主の皆さまをはじめ、あらゆるステークホルダーの期待と信頼に応えてまいりますので、今後ともご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 

代表執行役社長 最高経営責任者  

中村 茂雄