私たち味の素グループは、アミノ酸の研究を起点として、アミノサイエンス®*を軸に成長してきました。1908年に「日本人の栄養状態を改善したい」と願っていた池田菊苗博士が発見した「うま味」を、創業者・鈴木三郎助が「味の素®」として製品化したことからその歴史が始まりました。この創業時の「おいしく食べて健康づくり」という志は、100年以上経過した現在も、社会課題を解決しながら社会価値と経済価値の共創を目指す取り組みであるASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)として受け継がれています。
昨今の、変化が非常に激しく予測が難しい事業環境下においては、私たちが拠り所とする志(パーパス)がますます重要になっています。このたび、味の素グループの「志」を、従来の「アミノ酸のはたらきで食と健康の課題を解決」のその先を見つめ、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」へと進化させました。
サステナビリティを経営の根幹に据え、人財・技術・顧客・組織の4つの無形資産の価値を高めることで、事業を通じたイノベーションを創出し、ASVを実現していきます。
「中期ASV経営 2030ロードマップ」においては、これまでの精緻に数字を積み上げる中期計画策定を廃止し、長期のありたい姿を定め、経営のリーダーシップで挑戦的な「ASV指標」を掲げ、バックキャストする中期ASV経営へ進化させていきます。
重点事業の進化と、成長をドライブする事業モデル変革(BMX)により、提供価値起点の4つの成長領域(ヘルスケア、フード&ウェルネス、ICT、グリーン)へとシフトすることで、高収益かつユニークで強固な構造を目指します。
この成長を実現させていくためには、従業員一人ひとりの心の底から生まれる「熱意」と、「志」を共有していただける多様なステークホルダーの皆さまの共感を原動力とし、取り組みを磨き続けることが重要です。皆さまとの対話を通じ、ASV実現に邁進し、飛躍的・継続的に企業価値向上を図ってまいります。
今後とも、より一層のご支援、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
Eat Well, Live Well. AJINOMOTO
*アミノ酸のはたらきに徹底的にこだわった研究プロセスや実装化プロセスから得られる多様な素材・機能・技術・サービスの総称。また、それらを社会課題の解決やWell-beingの貢献につなげる、味の素グループ独自の科学的アプローチ。
取締役 代表執行役社長 最高経営責任者
藤江 太郎