100年以上に渡って築かれたブランド力、マーケティング力、研究開発力を強みに、生活者の多様なニーズを捉え、これに応えることで価値創造を実現しています。
今後も主力製品をさらに強化するとともに、おいしさを追求し、減塩・減糖といった健康ニーズや調理の簡便化ニーズ等に対応し、きめ細かくソリューションを提供し続けます。
1909年、「味の素®」の発売とともに事業をスタート。50年代以降はうま味調味料を巡って競争環境が厳しくなり、事業の多角化を急速に進めました。
60年代には日本のインスタント食品市場が急拡大する中、米国企業との提携により「クノール®カップスープ」を発売。そこで培ったマーケティング手法を活かし、マヨネーズなど参入カテゴリーを拡大しました。
70年代には高度経済成長期から安定成長の時代を迎えます。女性労働者の増加などにより簡便志向が高まる中、風味調味料「ほんだし®」「中華あじ」や合わせ調味料「Cook Do®」を独自に開発。80年代にはさらに女性の社会進出が進み、売上は急成長しました。この「味の素®」から風味調味料・加工食品へ展開を拡大するという手法は、後に海外食品事業でも活かされました。
以降各分野ともに、絶えざる製品改良や消費者ニーズを捉えた新製品の発売により、事業を継続拡大しています。
日本では人口減少やライフスタイルの変化に伴い、消費者ニーズは多様化しています。生活者の購入チャネルも、既存の量販店、ドラッグストア、コンビニエンスストアだけでなくeコマースが台頭するなど変化が見られます。
その中で、高付加価値製品の展開、当社レシピサイトにおける個別の献立提案、チャネル別製品の開発などによりニーズに応えていきます。
生産面では、フレキシブルな生産が可能な体制を整えるべく生産体制の再編を行っています。さらに食品物流の諸課題(トラックドライバー不足、物流コストの上昇、環境保全への対応など)の解決に向けて物流改革に着手しており、食品メーカー共同での取り組みを推進していきます。
1960年代以降事業の多角化を進める過程で、当社は伸長するインスタントコーヒー市場を有望視してきました。そして1973年、ゼネラルフーズ社(日本)の株式を50%取得し、「味の素ゼネラルフーヅ社」を設立することで国内コーヒー事業に参入しました。
ゼネラルフーズ社の技術と味の素社の販売ノウハウにより事業は拡大を続け、インスタントコーヒーはもとよりレギュラーコーヒー、スティックコーヒーといった新たなカテゴリーの製品を開発し、新しい市場を創造してきました。
2015年に残りの株式50%を取得し連結子会社化するとともに、社名を「味の素AGF社」に改称。次ぐ2016年にはライセンスを受けていた商標権も取得し、自由なブランド戦略を海外でも展開することが可能となりました。今後は現地の飲料、粉末飲料事業に対し技術支援も行い、味の素グループの飲料事業における中核を担っていきます。
国内においては、コーヒーの飲用シーンが家庭の中から外(アウトホーム)へと変化しています。当社はそのきっかけの一つとなった、コンビエンスストアにおけるカウンターコーヒー市場を創造し、手頃な価格で美味しいコーヒーを提供してきました。
今後も伸長するアウトホーム需要への対応を進めるとともに、嗜好の多様化に対応すべく製品のパーソナル化を推し進めていきます。
グローバルな製品開発・生産・販売体制、マーケティング力、ブランド力を強みに、現地の生活者の嗜好に合うおいしさと栄養改善に貢献する製品・サービスを提供しています。
事業展開国・地域の原料を使用しながら付加価値を生みだすことや、雇用拡大、さらには日本からの技術導入による食品産業の発展への貢献を通じて、今後も地域社会や生活者との共生を実現していきます。
1909年、日本で「味の素®」の発売を始めた当初から積極的に海外市場の開拓を図り、日本人と食生活の共通性を持つアジア諸国に対し「味の素®」の輸出を開始しました。
20年代よりアジア諸国に事務所を設置。次いで北米、欧州、中南米にも現地法人を設け、60年代にはタイを始めとした現地工場の建設も相次ぎました。
「味の素®」は現地の国産原料を使用し、発酵法で生産を行ってきました。現在では世界100か国以上で販売しており、味の素グループのグローバルブランドとなっています。
80年代以降は、東南アジア諸国やブラジルで所得水準が上がり、消費者の需要が風味調味料や加工食品にも向かいます。その中で、現地に合った味とブランド名で風味調味料、メニュー用調味料、即席麺、スープ、粉末飲料などを開発し展開。90年代には、タイで初めて缶コーヒーを開発・販売するなど事業の多角化を進めてきました。
現在では、売上規模の大きいアセアン、南米を中心に各国・地域の食生活や食文化に応じたカテゴリー展開を行いつつ、中東・アフリカなどにおいてはローカルトッププレイヤーとの連携により新地域開拓を進めています。
東南アジア、南米においては所得水準が向上し中間所得層が拡大。都市化やライフスタイルの変化に伴い、市場は伝統市場から量販店、コンビニエンスストアへと多様化しています。また、調理が簡便な加工度の高い製品への需要増加といった変化も見られ、各国で対応を進めています。
「味の素®」リテール品の発売と時を同じくして、醤油製造の原料としてバルクでの供給を開始しました。以後、国内大口需要家向けの販路拡大に取り組み、1930年代には米国食品メーカーの需要を受け海外での販売も開始しました。
50年代以降、東南アジアや中南米を中心に「味の素®」の現地生産が始まり、バルクでの輸出も進みました。また味の素グループ内の他国へ輸出し、輸出先ではリテール品の包装作業を行い販売するという形態もとっています。
60年代には核酸系調味料も、リテール品に続き国内需要家向けにバルクでの発売を開始しました。海外への輸出も始まり、2000年代に入るとタイで生産工場を建設。「味の素®」の販売チャネルを活かし、現在では世界50か国以上で販売をしています。
加工用調味料分野では60年代に、アミノ酸研究の過程で発明された天然食物の持ち味を再現する天然系調味料を発売。90年代には各種加工品の食感改質目的などに幅広く利用できる酵素製剤を大手需要家向けに発売し、海外での生産、販売も行ってきました。
以降各分野ともに、絶えざる製品改良や消費者ニーズを捉えた新製品の発売により、事業を継続拡大しています。
MSG(グルタミン酸ナトリウム)の世界需要は、新興国における平均所得の上昇や人口増加などを背景に伸長を続けています。東南アジアは安定成長、南アジアやアフリカは成長を拡大しています。
また核酸系調味料は、加工食品市場の拡大と核酸系調味料の添加率の増加傾向により継続した需要拡大が期待されています。その中で当社のシェアはいずれも世界トップクラスであり、今後も安定した市場ポジションを維持していきます。