味の素グループの「Ajinomoto Group Shared Value(ASV)」の取り組みにいたるまでの経緯を、以下の項目よりご案内いたします。

 

  • 当社が対外開示した政策等
  • 当社が社会(有識者)と対話した取り組み
  • 当社の社内で検討した或いは取り組んだこと
  • 社内の組織変遷

 

味の素グループは、事業を通じた社会的課題解決に取り組み、社会・地域と共有する価値を創出することで経済価値を向上し、成長につなげてきました。この取り組みをASV(Ajinomoto Group Shared Value)と称し、これを進化させていくことがビジョンの実現につながると考えています。

Ajinomoto Group Shared Value(ASV)

および

ASVを中核としたビジョンを設定

2005年

・CSR推進部本部CSR部を発足

4月

「CSR経営」の標榜

2005 年からの中期経営計画「A-dvance10」で示した3つの経営方針の一つに「CSR経営」
を掲げました。事業活動のバリューチェーン全体を通して社会に貢献し、広く社会からの信頼を集め、企業価値の向上を目指す姿勢を明確に打ち出しました。

 

10月

CSRビジョン・2020年のCSR達成像策定

味の素グループ理念を実現する具体的な取り組みとして、「食」「健康・医薬」「食資源・環境」「人材育成」「パートナーシップ」の5つの切り口で2020 年のCSR 達成像を策定。CSR の考え方を整理した「CSRビジョン」も発表しました。

 

<社内の取り組み>

CSRビジョン策定のワークショップ開催

「ありたい姿」の検討
本社機能部門の担当者が集まり、それぞれの部門のステークホルダーの立場に立って「味の素グループがどのような企業集団になっていくべきか」の議論を重ねました。

 

<社会との対話>

有識者との意見交換「味の素グループのCSR活動にご意見をいただく会」

消費者関連や人権・環境・社会貢献の分野などの有識者をお招きし、役員・従業員とテーブルに分かれてテーマごとに議論を行う会を、2005年から2010年まで継続して実施しました。CSR の幅広い領域に、ステークホルダーの方々から様々なご意見をいただき、社内の視点だけでは気づかないご指摘をいただく貴重な場となりました。

 

2008年

CSR総合戦略の策定

有識者からの様々な意見を取り入れながら、バリューチェーン全体での取り組みをより強
化するために「CSR 総合戦略」を策定。事業を通じて社会・環境に貢献する姿勢をより明確にするとともに、財務的・非財務的の双方の価値向上で企業価値を最大化することを示しました。

 

<社会との対話>

有識者アンケートによる課題の優先順位づけ

有識者80 名以上にアンケートを依頼。味の素グループにかかわりのあ
る社会課題50 項目を提示し、「社会から期待され、しかも要請度の高い項目」を順位づけしていただき、点数配分を行って重要度を数値的に把握しました。
期待が高かった主な項目
◦ 環境
◦ サプライチェーンを通じた人権・労働
◦ 食資源
◦ 食の安全・安心
◦ 健康課題への取り組み など

 

2009年

創業100周年を機に企業理念体系を見直し

「味の素グループ理念」を見直すとともに、グループ共通の価値観として「味の素グループWay」を策定しました。

 

<社内の取り組み>

2011年~味の素グルーWayセッションを実施
(2015年度末までに国内外の全従業員約33,000人が受講完了)

 

「21世紀の人類社会の課題」を整理

これまでの社内外の対話から導き出された「地球持続性」「食資源」「健康なこころとからだ」の3 つの社会課題を経営の中心に据え、事業を通じて貢献していくことを社内外に発表しました。

 

2011年

CSR方針の策定

3 つの社会課題への貢献は、味の素グループが社会と共存・発展するための前提条件であると位置づけ、2011-2013中期経営計画では「CSR 推進計画」を「CSR 方針」として強化しました。

 

2014年

「Ajinomoto Group Shared Value(ASV)」を表明

2014-2016 中期経営計画において、従来の「CSR 方針」をベースに「ASV」を表明しました。「ASV」では3 つの社会課題への貢献をより具体的にするとともに、全社各部門で生み出される社会価値の特定と数値目標の設定を行うなど、全社的な取り組みを進めています。「ASV」のさらなるレベルアップを目指し、今後、事業を通じたモニタリングを行うとともに、社会との対話も継続していきます。

 

<社内の取り組み>

2015年~ASVセッションを実施
(2017年度末までに全従業員が受講完了予定)

 

 

2月

2014-2016中期経営計画を発表

 

味の素グループが検討・抽出したマテリアリティ・マッピングを作成

 

2016年

3月

<社会との対話>
第2回ESG説明会「UmamiとMSG」を開催

 

4月

・グローバルコミュニケーション部CSRグループを発足

8月

<社会との対話>
有識者に対するSDGsアンケート調査を実施

 

 

2017年

2月

2017-2019中期経営計画で、ASV価値創造ストーリーおよび統合目標(財務・非財務目標)を発表

 

<社内の取り組み>

2017-2019中期経営計画策定ガイドライン:ASV目標策定を導入

 

11月

<社会との対話>

多様なステークホルダーとの対話

  • JaSPOC持続可能なパーム油会議:常務執行役員による講演
  • 日経社会イノベーションフォーラム:常務執行役員による講演
  • CDP-CEO Paul Simpson氏、CDP-Japan 山口氏と常務執行役員との面談

 

 

 

2018年

3月

<社会との対話>

多様なステークホルダーとの対話

  • サステナブル・ブランド国際会議2018東京:経営企画部長によるパネルディスカッション
  •  世界食品安全会議2018:社長による講演

 

<社内の取り組み>

SDGsとマテリアリティとの関連性の分析

SDGsの169項目と味の素グループのマテリアリティの関連性について、主要な事業を軸に社内で分析を実施しました。

 

2019年

 

<社会との対話>

多様なステークホルダーとの対話

  • サステナブル・ブランド国際会議2019東京:社長による基調講演
  • CDP-CEOのPaul Simpson氏と常務執行役員の面談
<社内の取り組み>

マテリアリティの見直し

 

  • 味の素グループを取り巻くマクロ環境やステークホルダーのご意見・期待を集約、マテリアリティ項目の見直しを実施し、11項目に再整理。加えて、マテリアリティに対する機会とリスクおよび主要な取り組みとの関連づけを強化。従来の「全社重要リスク」「重視するESG30項目」とマテリアリティを統合。
  • 社外有識者へのヒアリングを実施し、妥当性を確認。
  • 取締役会において妥当性を確認。

 

 

2020年

2月

 

新ビジョン、2030年の目指す姿、2020-2025中期経営計画を発表

社会的な存在意義と具現化の道筋を示した新たなビジョンを設定。ビジョンの実現に向け、2030年までに、10億人の健康寿命延伸と、環境負荷50%削減に取り組みます。

 

<社内の取り組み>

マテリアリティの見直し

 

● 20-25中計を踏まえ、マテリアリティ項目名および並び順を一部変更(例:従来の「健康・栄養課題への貢献」を「食 と健康の課題解決への貢献」に変更)。

● 「関連する機会とリスク」を、事業環境や課題認識を踏まえて追加・修正。

● 取締役会において妥当性を確認。

 

 

今後の予定

  • 再整理したマテリアリティに基づき、具体的な活動を推進する。
  • 再整理したマテリアリティやステークホルダーからの意見を収集する。
  • 社会情勢の変化の速さを踏まえ、毎年マテリアリティの見直しを実施する。