味の素グループでは、「アミノサイエンス® 」を起点として創出 される技術やアイデア、デザイン等の知を、価値創造の基盤と なる重要な無形資産の一つである技術資産と位置付けています。
この技術資産において、事業・R&D部門と一体となって戦略的に創出された知的財産を保護・活用することで、無形資産の価値最大化と持続的な事業成長に貢献しています。また、「知的財 産に関するグループポリシー」を定め、グローバルな視点での知的財産ポートフォリオの構築や活用を通じて、ASV経営のもと、社会価値と経済価値の共創に貢献する知的財産戦略を推進・強化しています。その具体的な取り組みは以下の通りです。
1. 事業のコアとなる技術の戦略的かつ効率的な知的財産の獲得
2. オープンイノベーション等、積極的な外部技術の取り込みと連携
3. 自社技術のライセンスや訴訟等、保有技術の活用と権利行使
4. 商標制度等を活用した製品の保護とブランド価値の向上
5. 他者知的財産権の尊重と調査・クリアランスの徹底による侵害リスクの極小化
6. 調査解析情報のグループ事業部門・R&D 部門への提供
7. 知的財産人財の育成、社内外ネットワークの活用
また、知的財産価値の毀損や営業秘密の漏洩・紛失といったリ スクに対しては、技術投資の成果を守り、公正な競争環境を確保する観点から、適切な対応を行っています。味の素グループの知的財産権を侵害する企業に対しては、警告や知的財産権侵 害訴訟を提起する等、権利の侵害を許さない毅然とした態度で対応しています。2025年10月には中国企業グループに対して 特許権侵害訴訟を提起しました。営業秘密の管理および漏洩防 止に関しても、情報企画部門と知的財産部門が防衛策を立案、実行し、監査部門と連携しつつ、味の素グループ全体の内部統制を進めています。2025年度には、電子化や外部連携の増加といった技術進展・業務実態の変化に対応するため、営業秘密管 理に関する基準を改定し、ガバナンスの強化を図りました。
「知的財産権のライセンス・管理等に係る要領」に基づき、味の 素グループ全体の知的財産(特許、意匠、商標等)は味の素(株)が統括しています。当社は、国内外グループ法人の知的財産専任スタッフ・キーパーソン・R&D拠点、さらには各国の特許・ 法律事務所と連携し、グローバルな知的財産の獲得と知的財産 を活用した類似品・ブランド不正使用の排除を遂行しています。また、調査業務と知的財産権維持管理業務については、関係会社の(株)アイ・ピー・イーに集約しています。このような体制のもと、当社グループは2025年3月末時点で、グローバルで4,283件の特許および5,764件の商標を保有し、活用しています。
味の素グループは、従業員の知的財産に対する意識と実務能力の向上により、知的財産を事業へ積極的に活用することを目指し、グループ従業員向けの知的財産教育に力を入れています。階層別・目的別の教育プログラムを組み合わせ、必要な意識・能力向上を実現する体制とし、組織の課題やニーズに応じて、適宜、教育プログラムの見直しを行っています。2025年度には、知的財産の事業へのさらなる活用を企図した知財活用研修を新設し、またグループ全体のグローバルな知財スキルの向上に向けて、ニーズの高い海外拠点向け教育プログラムを強化しました。これらの取り組みにより、グループ会社の従業員を含む延べ1,689人が知的財産教育に参加しました。
味の素(株)は、イノベーションによる技術資産の創出促進を目的として、職務発明に報奨金を支払う「発明報奨制度」や、優れた発明と発明者を表彰する「知的財産表彰」を運用しています。2025年度にも事業貢献した発明に対して貢献度に応じた報奨をし、また、4つの成長領域における優れた発明と発明者を 選定し表彰を行いました。